今の60歳は若い、昔と違うなどと言われます。
実際体力やライフスタイルへの感度など、自分たち世代の子供の頃の60代とは随分違うのは事実でしょう。
さてインターネット調査のマクロミルが、「敬老の日」をテーマにシニアと若者のそれぞれ500名、計1000名に調査を行いました。
その結果、60代のいき盛んぶりと20〜30代の敬老の日への無関心ぶりが明らかになりました。以下その調査結果です。
敬老の日を祝ってもらう立場だと思われる60~70代(以下、シニア層)と、祝う立場であると思われる20~30代(以下、若者層)の双方に、敬老の日を祝う妥当な年齢についてたずねました。
若者層の回答で一番多かったのは「60~64歳」(22%)ですが、シニア層では「70~74歳」(32%)という結果に。つまり祝う方、祝われる方で約10歳の意識の差が現れました。
おそらくこれは、若い世代にとって「60=還暦=おじいさん・おばあさん」という情報化が「古希」「喜寿」より認識されているからでしょう。
一方で実際に60になった方は、今は「雇用延長」で働かなくてはいけないし、体力的にもまだまだ、という気持ちが強かったり、また何より日本の文化が劇的な変化を遂げた70年代を過ごしたことで「感覚的に若い」と自信を持っている方が多いからでしょう。
【図】今年の「敬老の日」に、お孫さんやお子さんからしてほしいと思うこと ベース:子・孫がいる60~70代/n=436(複数回答)
シニア層に、今年の敬老の日にお孫さんやお子さんからしてほしいと思うことを聞くと、「特に何もしてもらわなくていい」(70%)が最も多く、「食事会をしたい」(14%)、「一緒に過ごしたい」(12%)と続きます。
「特に何もしてもらわなくていい」という回答が7割にものぼったのは、1)の結果と相互参照した時、「まだその年齢ではない!」と思っているシニアが多いという理由からかもしれません。
また、子供や孫には、物よりも関係性を重視するのがシニアの特徴かもしれません。
孫写真を嬉しそうにみせるシニアおじさんは街に山のようにいます。
「仲良し」「大切にされている関係」…これが、一番大切なのでしょう。
■「敬老の日」のエピソード(自由回答から一部抜粋)
• 孫達や子供から届いたカードをストックしていて、一番の宝物!(79歳・女性)
• 幼稚園に招かれていつもと違った孫の姿をみられて良かった(70歳・女性)
• skypeで子供や孫と話したこと。画面で子や孫の顔を見ながら話せるので楽しい。(74歳女性)
• 新幹線のグランクラスで、長野に行きました。善光寺とお布施に行き、良かったです。子供に連れて行ってもらいました。(69歳女性)
• 孫からもらった肩たたき券,お手伝い券など手製の可愛い絵とメッセージの入ったものをもらったこと。(69歳男性)
• 毎年孫から手書きの文と似顔絵を送られる。年々上達しているのを 見ると感無量になり、長生きしたくなる。(66歳男性)
【図】昨年の「敬老の日」に何もしなかった理由 ベース:昨年の敬老の日に何もしなかった若者層/n=311(複数回答)
若者層に、昨年の「敬老の日」に、祖父母や両親に何かしたか聞くと、62%が「何もしなかった」と答えました。
「祝う対象となる人物(祖父母等)が離別・死別等でいなかった」を除くと、1位は「「敬老の日」に何かをする習慣がない」25%、2位は「何かをする必要性を感じなかった」14%、3位は「「敬老の日」の存在を忘れていた」13%との結果です。老人を敬愛し、その長寿を祝うという「敬老の日」の趣旨が薄まってきているのかもしれません。
▼調査概要
調査主体 マクロミル
調査方法 インターネットリサーチ
調査対象 全国、20~39歳男女/、60~79歳の男女 各500名(マクロミルモニタ会員)
割付方法 20~39歳500名、60~79歳500名/合計1,000名
調査期間 2017年7月8日(土)~7月9日(日)
※本文の数値は四捨五入した整数で表記しています。
※百分率表示は四捨五入の丸め計算をおこなっており、合計が100%とならない場合があります。
※本文解説は堀埜。