サントリーの仕掛けたハイボールブームの爆発的ヒット、数年前からのシングルモルト・ブーム、そして山崎や白州、竹鶴などの国際賞受賞など、大人の酒「ウィスキー」は、ここ数年、完全復活の勢いを感じさせます。
実際、洋酒酒造組合の調査でも、ここ数年国内ウィスキーマーケットが好調に拡大しているのがわかります。
ウィスキーの味わいは、それを好むものには、なんとも奥深いものです。
筆者も様々なウィスキーを飲む中で自分なりの定番ブランドを見つけていますが、その日の気分や、味わいに幅がほしいときなど、癖のあるアイラ系や、ブレンドの極みを感じさせるオールド・パーなど、いくつかのブランドを楽しみます。
また、ウィスキーをじっくりたしなむ男性は「大人」として、女性にも評価されているようですよ。
さて、そんなウィスキーファンにとって、相変わらず人気を誇り、かつここ数年のウィスキー・ブーム火付け役になったのが「シングルモルト」です。
ウィスキーの基本原料になるもの=それがモルトです。モルトは大麦麦芽のことで、モルトのみを使用したウィスキーを「モルトウイスキー」と呼びます。
そして、一つの蒸留所のみでつくられたモルトウイスキーを瓶詰めしたものが「シングルモルトウイスキー」となります。
蒸留所ひとつひとつに個性があり、それぞれの違いを味わうことがシングルモルトウイスキー最大の魅力なのです。
ちなみに、普通私たちが目にするスコッチウィスキーの多くは「ブレンディッドウィスキー」といわれるものです。これはいくつかの蒸留所のモルトウィスキーをブレンドし作るものです。そこにグレーンウィスキーーという、トウモロコシや小麦などで作ったウィスキーを混ぜることで、モルトの個性を和らげ、飲みやすくしたり、また価格帯を安くできたり、という効果があります。したがって、ブレンダーの力量が大きく問われるのがブレンディッド・ウィスキーの特徴であり、また楽しみ方にもなります。
さて、「モルトハウス」では、このブランドの個性を楽しむことが魅力の「シングルモルトウイスキー」を150商品以上揃えてデビューする。
国産をはじめ、特にスコットランドに100程もある蒸留所のうち、80箇所を網羅しているのが、凄い。
上の表は、開業前に多忙な取材時点での情報です。まだまだ変わっていくとおもいますが、ざっと見ただけでも、相当な品揃えであることがお分かりいただけると思います。また、ウィスキー業界の新規参入組ながら、デビューからわずか2年の2010年に国際賞を受賞し、2015年には最も権威のあるWWAで「ワールド・ベスト・シングルモルトウィスキー」に選ばれた注目ブランド、台湾のカバランもラインナップされています。
さらに、このモルトハウスの楽しみは、お馴染みの銘柄から希少銘柄まで、取り扱う商品すべてにおいて「量り売り」をしてくれることです(10ML単位、30ML以上)。
上は量り売りの例ですが、1本数万円の商品でも千円程度で買えますよね。
モルトウィスキーの飲み比べが、高級銘柄においても楽しめるわけで、スコッチファンにはたまらない贅沢になります。
ブランドによって、どう飲めばおいしいかも、ウィスキーの奥深さの一つですが、店舗スタッフが、それぞれの商品に合った飲み方なども教示してくれるそうです。
また、こんな量り売りのラッピングも、プレゼントにはあり!
店内では、ウイスキーと相性の良いおつまみの他にも、ウイスキー専用のグラスやスキットルもあり、今後は葉巻の販売も検討されているそうです。こうなると、もう、単なる酒屋を超えた、ウィスキーと大人の文化の店になるかもですね。
なお、オープニング企画として、量り売り100ML以上お買い上げのお客様先着200名様へ、デザイン入りテイスティンググラスをプレゼントされるそうです(200名に達し次第終了)。
文:堀埜正直
取材協力:株式会社カクヤス